专利摘要:
低級アルキルモノオールと1つ以上の長鎖脂肪酸のC2−C6エステルを含む燃料組成物。一般にC、H、O原子は組成物の99.99重量%を構成する。組成物は本質的に硫黄および/または窒素原子を含まないことができる。組成物は少なくとも1つの1つ以上の長鎖脂肪酸のC2−C6エステルを含む液体のpHを7.0未満に調節することにより提供することができる。C2−C6エステルはトリグリセリド含有組成物と、C2−C6モノオールを使用してエステル交換反応することにより提供できる。該モノオールは化学量論的過剰量で存在できる。
公开号:JP2011512419A
申请号:JP2010526975
申请日:2008-02-18
公开日:2011-04-21
发明作者:アーロン;アール ハルナール;クレイトン;アール;ジュニア リブングッド
申请人:11 グッズ エナージー リミテッド;
IPC主号:C10L1-02
专利说明:

[0001] ディーゼルエンジンは、トラック、船、列車およびその他同種のものに広い用途を見い出し続けている。営利上受理可能なディーゼル燃料は一連の気候条件で性能を発揮しなければならないし、従って、0℃、好ましくは少なくとも−10℃までの温度で使用されることができなければならない。]
[0002] ディーゼルエンジン排気はしばしば微粒子、COおよび様々な窒素酸化物(ノックス:NOx)種を含んでいる。この数年にわたって、ディーゼルエンジンからの排気ガスに関連した環境問題に対処する多くの試みが、メタノールおよびエタノールのような低級アルコールに注目した。15%(体積比)のエタノールおよび85%(体積比)のディーゼル油のブレンドは、ディーゼルエンジンの改造を要求することなく、エンジン中で放出された燃焼副産物を改善することが見出された。これは一般には燃料の増加した酸素含有量によると考えられている。近年、エタノールの量は時々20%(体積比)に増加される。しかしながら、低級アルコールは典型的にはディーゼル油と混和性ではなく、時間とともに分離する傾向がある。したがって、成分はしばしば別々に貯蔵され、使用の直前に混合される。]
[0003] 記載されたタイプの燃料ブレンドはしばしば「E−ディーゼル」(またはいくつかの同様の変形)と呼ばれる。E−ディーゼルは典型的には、正味のディーゼル油より少量の受け入れがたい燃焼副産物を生成する。しかし燃焼されたときに、それはより少ないエネルギーを生産し、その体積の少なくとも80%の石油に由来するディーゼル油を依然として利用する。化石燃料に関する、維持能力および資源量への懸念は、過去十年間の間に著しく高まった。これを受けて、石油以外のソースから調製された燃料への増加する関心が、過去十年間程度の間に著しく大きくなった。]
[0004] この興味の多くはいわゆるバイオ燃料に注目した。それは、様々な動物脂肪および植物油のいずれかのエステル交換反応生成物である。油と脂肪の主成分は、脂肪酸トリグリセリド、すなわち3つの長鎖脂肪酸がグリセリン基にエステル結合された分子である。油または脂肪が適切な触媒条件の下でアルコール(典型的にはメタノール)に暴露される場合、脂肪酸はグリセリン基から解離し、アルコールと反応して脂肪酸エステルを形成する。エステル交換反応は、著しく油の粘度を低減する。]
[0005] トリグリセリドエステル交換反応は非常に研究されている;そのようなバイオ燃料の製造および特性についてより詳細な情報については、興味のある読者は、たとえば「ディーゼルエンジンに提供される脂肪および植物油の燃焼」(Combustion of Fat and Vegetable Oil Derived Fuels in Diesel Engines) Prog.Energy Combust.Sci.,vol.24,125−64ページ(1998,Elsevier)のような総覧のいずれかを参照されたい。]
[0006] バイオ燃料はそのままで使用されることができるが、より一般的には、小量が石油由来のディーゼル油(以下においては「ペトロディーゼル」と呼ぶ)へ混合される。バイオ燃料とペトロディーゼルのブレンドはしばしばB−ディーゼルと呼ばれるか、またはより一般的にはBの記号に続いてバイオディーゼルで置き換えられたペトロディーゼルのパーセンテージで示される(例えば、B20ディーゼルは、80%のペトロディーゼルと20%のバイオディーゼルの混合物であることを示す)。]
[0007] アルコールとバイオ燃料を一つの組成物中に組み合わせることを試みた人もいる;例えば米国特許6,129,773、米国特許出願公開2003/0126790 A1を参照。]
発明が解決しようとする課題

[0008] 再生可能な出発原料のみに由来した成分を含んでいる燃料組成物は、継続して大きな興味を有しているように見える。理想的には、そのようなバイオ燃料組成物は、ペトロディーゼルと本質的に同じ気候条件で使用することができ、ペトロディーゼルよりも優れた放出特性を有している。さらに、そのような組成物は、好ましくは同体積のペトロディーゼルとほぼ同じエネルギーを発生し、一方同様かよりよいエンジン摩耗特性を有する。]
課題を解決するための手段

[0009] 1つの態様では、エタノールおよび1つ以上の長鎖脂肪酸のC2−C6エステルを含む燃料組成物が提供される。組成物は、一般に、エタノールのような低級アルキルモノオールを少なくとも約2.5%(体積比)、典型的には約5から約10%(体積比)含み、および相補的な量の1つまたは複数の長鎖脂肪酸エステルを含む;他のすべての成分は典型的にはトレース量でしか存在しない。]
[0010] いくつかの実施態様では、組成物の少なくとも99.99%(重量)または99.999%(重量)は、C、HおよびO原子のみで構成される;これらおよび他の実施態様では、組成物は、少なくとも硫黄と窒素原子の1つ、好ましくは両方を本質的に含まない。]
[0011] 組成物は、典型的には少なくとも約0.2%(体積比)、一般に少なくとも約0.25%(体積比)、また場合によっては少なくとも約0.3%(体積比)の水を含む。いくつかの実施態様では、燃料組成物は少なくとも約0.5%(体積比)の水を含むことができる。燃料組成物中の水は、典型的には可能である限り回避されるべきであると考えられるが、約1%(体積比)以内の存在は、本発明の燃料組成物の効率に特に害があるとは証明されていない。]
[0012] いくつかの実施態様では、燃料組成物は酸性pHを有することができ、最も低い場合にはたとえば4.5であるが、より一般的には約6.0〜約6.8までである。]
[0013] 組成物は典型的には約3.5から約4.0mm2/s(つまりcSt)、一般的には約3.7±0.2mm2/sの動粘度を有している。流動性改良添加剤のない状態でさえ、組成物は、少なくとも約−5℃の曇り点、および少なくとも約−15℃の流動点を有することができる。]
[0014] 別の態様では、燃料組成物の合成および精製する方法が提供される。本発明の方法は、1つ以上の長鎖脂肪酸の少なくとも1つのC2−C6エステルを含んでいる液体を提供し、7.0未満に液体のpHを調節することを含む。該C2−C6エステルは、C2−C6モノオールを使用したトリグリセリド含有組成物のエステル交換反応により提供できる。また、そのような場合、pH調節は液相からの塩とグリセリンに関連する副産物(例えばグリセリン)の分離に帰着する。そのため未精製の燃料組成物に帰着する。その後、未精製の燃料組成物は約1μmより大きな平均直径を有している微粒子を除去し、かつ第1族の金属イオンの濃度が約50ppm(百万分率)以下、好ましくはそれよりも5から10の1であることを保証するために処理される。]
[0015] エステル交換反応プロセスは、1つ以上のC2−C6アルコールの化学量論量の過剰量の存在下で典型的に行なわれる。1つまたは複数のアルコールは典型的には約25から約200%(体積比)過剰、好ましくは約50から約150%過剰、より好ましくは約70から約130%過剰、最も好ましくは約80から約120%の過剰で存在する。]
[0016] 未精製の液体燃料組成物、および精製工程から最終的に得られる液体燃料組成物は、少なくとも当初は、典型的には約4.5から約6.8、好ましくは約5.0から約6.75、より好ましくは約5.5から約6.7、最も好ましくは約6.0から約6.65のpHを有する。わずかな酸性条件下で燃料組成物を精製することは、貯蔵安定性という利点を与える。]
[0017] ある実施態様では、pH調節は液体に強酸を加えることにより行なわれる。これらの実施態様のうちのいくつかでは、酸はハロゲン化酸(例えばHCl)である。また液体から取り除かれた塩はKXであり、ここでXはハロゲン原子、例えばClである。]
[0018] いくつかの実施態様では、未精製燃料の処理は未精製燃料を一連のフィルターに通すことにより行われ、任意にこれらのフィルターのはポアサイズは次第により小さくなる。]
[0019] プロセスは約3.5から約4.0mm2/sまでの動粘度、最も一般的には約3.8mm2/s以下の動粘度を有する燃料組成物を提供できる。]
[0020] 本発明のプロセスは、さらに流動性改良添加剤を含まない状態においても流動性である燃料組成物を提供できる。具体的には、組成物は少なくとも−5℃の曇り点、および少なくとも−15℃の流動点を有することができる。精製した燃料組成物のセタン価は典型的には約45より大きく、著しく(例えば5−15%)より大きくなることができる。]
[0021] 有利に、本発明のプロセスの工程はすべて、外部の熱源を使用することなく、すなわち雰囲気温度またはその周辺温度で行なうことができる。さらに、本発明のプロセスは、著しい量の水の追加なしで行なうことができ、そのため(典型的に非常に腐食性である)廃水を集めて処理する必要がない。]
[0022] 別の態様では、乗り物に動力を供給する方法が提供される。本発明の方法は上記の燃料組成物を含む燃料をディーゼルエンジンへ導入し、エンジンが燃料を燃焼することを可能にすることを含んでいる。有利には、前述の燃料組成物は、ペトロディーゼルを燃焼する同じエンジンの排気と比較して、排気での不透明度、CO、SO2およびNOxを同時に低減できる。同時に、同じ排気でのO2の量はペトロディーゼルが燃焼される時に比べて増加する。多くの場合では、前述の組成物は、エンジンの金属部品上での炭素質堆積物(しばしば「コーキング」と呼ばれる)の量を著しく減らし、いくつかの場合ではこれをなくす。洗浄能力およびより低い排気温度はたぶん例外とされるが、他の特性は4サイクルディーゼルエンジンより2サイクルのディーゼルエンジンにおいてより明らかであろう。]
[0023] 本発明の他の態様は、以下のより詳細な説明中で述べられる。
詳細な説明]
[0024] 燃料組成物を製造する方法、より具体的には燃料組成物を合成および精製することを含むプロセスが最初に記載される。]
[0025] 他のバイオ燃料製造工程のように、プロセスの合成部分はエステル交換反応を含む。しかしながら、反応のある態様は、バイオ燃料の製造において公知になったものとは異なる。]
[0026] ほとんどすべてのトリグリセリドはアルコールとエステル交換反応することができる。例えば、上に記載されるように、ある場合には廉価な反応体としてファーストフードレストランからのろ過された廃油を使用している。しかしながら、本発明のプロセスにおいては高度に純粋な植物油、より好ましくは食品用材料、たとえばトウモロコシ油、アマニ油、ピーナッツ油および大豆油が好ましく使用される。]
[0027] 読者の便宜のため、次の表に様々な脂肪および油中の飽和および不飽和脂肪酸成分の概略のパーセンテージを示す。第一のものは前記のGraboskiらの著作の130ページからであり、第二のものはピーターソン(C.L.Peterson)らの「エチルおよびメチルエステル燃料を使用したディーゼルエンジンの性能および耐性試験」(Performance and Durability Testing of Diesel Engines Using Ethyl and Methyl Ester Fuels)、Nat’l Biodiesel Bd. Report for 1995, 1996年2月27日受領の付録Aからである。前者は原料(つまりエステル交換反応をしていないもの)のデータを提供する。一方後者はそのような材料から作られたバイオ燃料中のエステル化された脂肪酸のデータを提供している。








(いくつかの材料は分析されない構成物質脂肪酸を含んでいたので、表Ibの中の数はすべての場合において合計100%にはならない。)]
[0028] 好ましい出発原料は先のリストから選ばれた食品用植物油である。特に、精製されて、漂白され、脱臭された(RBD)ものが好ましい。そのような材料は、例えばConAgra、Bunge社、ADMなどのような様々な商業用ソースから利用可能である。本明細書の記載はRBD大豆油に基づくものであるが、この物質およびその組成物に関して見出される他の油に対する利益の観点から、当業者は、同様な効果を提供することのできる長鎖脂肪酸の他のソースを特定することができ、および/または異なる最終使用状態での効果を特定することができる。]
[0029] 1つまたは複数の脂肪酸ソースは、反応容器中に、または反応容器に提供できる。従来技術は殆ど全てのタイプの容器が使用できることを教示するものの、高品質バイオディーゼル型燃料組成物の調製は、清潔な、本質的に非反応性の材料から作られた容器の使用によって容易になる。鋼、ステンレススチール、ガラスライニング金属およびその他同種のもののような材料にが好ましく使用される。]
[0030] エステル交換反応での他の反応体はアルコールである。バイオ燃料の大部分では反応物としてメタノールを使用する。実際、生産者がバイオディーゼル燃料としてその生成物が認定されることを望む場合には、ヨーロッパのバイオディーゼル委員会はメタノールの使用を命ずる;例えばEN14214参照。しかしながら、高級アルコール、特に1以上のC2−C6アルコールが使用される場合、固有の利点が見出された。これらの利点の非制限的な例としては、ペトロディーゼルとの改善された混和性、およびば曇り点、冷たい流動点により例証されるような良好な低温性能があげられる。]
[0031] 使用されるアルコールは好ましくはそれぞれ脂肪族で、より好ましくは一般式CnH2n+10Hを有する。なお式中nは2以上かつ6以下(2≦n≦6)である。式によって示されるように、モノオールの使用はより長い鎖のジエステルの形成を回避するために好ましい。好ましいアルコールとしては、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノールおよび1−ブタノールがあげられ、特に好ましいものは無水エタノール(例えばガソリンで変質されたエタノール)である。]
[0032] 得られる燃料の排出特性が重要な場合には、アルコールは、不適当な種の形成に関係できるヘテロ原子がないものが好ましい;そのようなヘテロ原子の非制限的例としてはN、SおよびPがあげられる。]
[0033] 1つまたは複数のアルコール類と1つまたは複数のトリグリセリド類との間の反応は、酸と塩基の両方により触媒され、強塩基がより一般的に使用される。典型的に、トリグリセリド出発原料に基づいて、約1重量%以下の触媒が必要とされる。]
[0034] 好都合には、触媒は1つまたは複数のアルコールのうちのいくつかまたはすべての中に提供することができる。これは、反応容器へアルコールを供給する前に、1つまたは複数のアルコールに、強アルカリ、例えばKOHを溶かすことにより行うことができる。好都合には、これは周囲温度またはわずかに高い温度で単に混合することによって、比較的短い時間(1時間未満)で行うことができる。所望の場合、触媒溶液は段階的に加えることができる。すなわち、シーケンシャルにアリコートを加え、次いで混合または撹拌することができる。]
[0035] 好ましくは過剰のアルコールが、反応容器に導入される。先に記載されたように、燃料組成物は1つまたは複数の長鎖脂肪酸のC2−C6エステルおよび1つまたは複数のC2−C6アルコールの両方を含んでいる。反応容器に化学量論量のアルコールを供給し、次いで得られたエステル交換反応生成物と追加のアルコールと混合するのではなく、エステル交換反応工程の間に1つまたは複数のアルコール成分を導入することにより、加工と性能上の利点が得られることがある。実際上、有意に過剰のアルコールを反応容器に加えることができる;その量は典型的には、約25から約200%、好ましくは約50から約150%、より好ましくは約70から約130%、さらにより好ましくは約80から約120%、最も好ましくは少なくとも約100%過剰である(すべて体積比)。]
[0036] 製造および精製工程中に過剰のアルコールを使用することが有利であるとの先の記載にも拘わらず、精製の間又は精製後のアルコールの添加によっても少なくとも幾分かの効果は得られる。]
[0037] わずかに異なる特性を備えた燃料組成物が製造されるように、ある程度まで、アルコールの化学量論量の過剰は幾分変化させることができる。この方法により、燃料の季節性ブレンドを作成できる。たとえば冷たい季節には、アルコールの過剰量を大きくし、夏季使用のために意図された同様の組成物より小さい粘度を有する燃料組成物を提供することができる。]
[0038] 制限と認識されるべきではないが、本発明のプロセスは油に塩基性のアルコール溶液を加えることを含むとして記載された。しかしながら、タンクの底の近くにアルコール溶液を導入し、上方に区切りを設けることにより、いくつかの反応上の利点を得ることができる。特に反応混合物が撹拌されない場合、およびエステル交換反応が周囲温度でまたは周囲温度近傍で進むことが許容される場合にはそうである。公知の撹拌テクニック(例えば循環ポンプ)が使用される場合、エステル交換反応は一般に20から25℃で終了まで数時間を要する。これは必ず必要なわけではないが、エステル交換反応は比較的温和な加熱で促進できる。]
[0039] エステル交換反応の第2の生成物はグリセリンおよび他のグリセリン副産物である。反応体の同一性、性質および純度に応じて、反応容器中のグリセリンは独りでに分離されるか、または部分的に分離され、または最小限度にのみ分離される。例えば、高純度反応体が使用される場合、撹拌が止められた後、グリセリン(またはその誘導体)は、典型的には数時間(例えば4−12時間)でアルキルエステル/エタノール相から分離する。しかしながら、あまり精製していない出発原料が使用される場合、分離の所望のレベルを達成するため、追加のアルコールの添加(例えば約20%以内のさらなるアルコール)および/または追加の時間が必要であった。分離目的のために加えられるアルコールは反応中で使用されるアルコールと同じである必要がない。また実際、所望であればメタノールがこの目的のために使用できる。]
[0040] グリセリン相はアルキルエステル/アルコール相より重く、反応容器の底に分離する。反応容器がそのボトムまたはそのボトムの近くに出口を備えている場合、グリセリン層は反応容器から排出できる。典型的には、グリセリン相はトリグリセリド反応物の約10から約20%を構成する。エステル交換反応の間に使用されるアルコールの過剰量に基づいて、グリセリン層は微量ではない量のアルコールを含むと推定される。グリセリン用の処理および/または処分テクニックは公知である。]
[0041] 塩基性触媒として使用される物質が第1族または第2族金属元素(たとえばKOHまたはCa(OH)2)を含むと仮定すると、第1族または第2族金属イオンの大部分がグリセリン相へ分割される。グリセリン相を回収すると、それにより好適に反応容器内に存在する、第1族または第2族金属イオンの大部分を回収できる。残るアルキルエステル/アルコール相は、典型的には500から1000ppmのオーダー、より一般的には600から800ppmのオーダーでそのようなイオンを含んでいる。]
[0042] アルキルエステル/アルコール混合物はさらに反応容器内で、より一般的には1つまたは複数の追加の容器に移され、さらになる精製のために処理される。この時点では、混合物は典型的には約6.2から約6.8mm2/sの動粘度を有している。]
[0043] 国立バイオディーゼル委員会(NBB)のような組織は、未精製の燃料(それは、化学量論量のトリグリセリドおよびメタノールを仮定しており、非常に腐食性である)が、水で、繰り返し洗われるテクニックを示唆する。この繰り返しの洗浄が大量の他の天然資源(つまり水)を使用し大量の中程度ないし非常に腐食性の廃水に帰着し、これは廃棄の前におよび/また廃棄後に処理されなければならない。]
[0044] 反対に、本発明のプロセスでは、水をそれ自身使用しない技術が望ましい。例えば、未精製の燃料組成物をカチオン性イオン交換樹脂に通したりまたは該樹脂を通したりして、第1族または第2族II金属イオンを水素原子に置換する。そのような樹脂は広く知られており、様々な商用ソース(例えばRohm、Haas社(Philadelphia、Pennsylvania))から利用可能である。]
[0045] あるいは、比較的少量の強酸が、アルキルエステル/アルコール混合物を中和するために使用できる。ハロゲン含有強酸(例えば、濃HCl)は、ヘテロ原子を含む他のタイプの強酸、たとえば硫酸および硝酸などよりも好ましい。当業者は、所定の未精製の燃料組成物を中和するために必要とされる所定の酸の量を決定するために必要とされる化学量論の計算を行なうことができる。非制限的な例としては、濃塩酸1リットルは500リットル以上の未精製の燃料組成物を処理できる。]
[0046] そのような精製テクニックは、第1族または第2族金属イオンの除去に帰着する。酸が混合物に加えられる場合、イオンは、先に相分離しなかったすべてのグリセリンタイプ副産物の大部分と共に塩として回収される。後者は、動粘度のかなり大きな低減によって証拠づけられる。先に言及されたように、未精製の燃料組成物は典型的には40℃で約6.5mm2/sの動粘度を有している;反対に、酸化精製を行った同じ組成物では、典型的には40℃で約4.0から約5.5mm2/sの動粘度を有している。これは、単なる水洗および/またはイオン交換樹脂による処理により得ることができるものより多少よいと考えられる。たとえば前記のピーターソンらの中で、様々なエチルエステルバイオ燃料は4.5mm2/s(大豆油)から6.2mm2/s(なたね油)までの動粘度を有していた。]
[0047] 精製した燃料は本質的に中性(pH=7.0)であると主張する技術が一般的に受け入れられているが、どの精製テクニックが使用されるかにかかわらず、処理された燃料組成物(つまり純粋にされたアルキルエステル/アルコール混合物)は、好ましくは非常にわずかに酸性にされる。精製過程でのこの時点では、アルキルエステル/アルコール混合物は、最低でも4.0から4.5、典型的には約4.5から約6.9の間のpHを有すると言える;より一般には、混合物のpHは次の範囲の1つ以上にある:約5.0から約6.8、約5.5から約6.75、約5.75から約6.7、約5.9から約6.7、約6.0から約6.75、約6.0から約6.7、約6.1から約6.6、約6.1から約6.7、および約6.4±0.2。]
[0048] 燃料組成物、特にバイオ燃料については、酸価が一般に報告される。これは遊離の酸、すなわちエステル化されていない脂肪酸の尺度であり、これらの脂肪酸を中和するのに必要なKOHのmgで与えられる。強いプロトン性酸(protic acid)が、本発明の燃料組成物の精製において利用される場合、この酸価はもはや意味がないと考えられる。少なくともこの理由で、従来のpHメーターがpH測定値を得るために使用され、これらはここで使用される。]
[0049] わずかに酸性である燃料組成物を提供することによって、性能に関する有害な影響を与えることなく、貯蔵およびハンドリング性における効果が見られた。特に、この時点で本質的に中性であるように精製された燃料組成物は、長期間の保存および/または特には空気に暴露された際に凝集または沈殿が見られた。反対に、わずかに酸性であるpHを有する燃料組成物にはその傾向は見られなかった。]
[0050] 精製過程のこの時点では、燃料組成物は、アルコールと、長鎖脂肪酸のアルキルエステルを主として含んでいる;ほとんどの他の材料は本質的にトレース量でしか存在しない。しかしながら、燃料組成物は、一般に約0.2から約0.9%(体積比)、通常は約0.25から約0.75%(体積比)、時により約0.3から約0.6%(体積比)の水を含む。より詳細に以下に議論されるように、燃料組成物がろ過される場合さえ、同伴されるかまたは分散された水の量は著しく低減されない;しかしながら、そのような水の存在は、燃料組成物の燃焼に著しい悪影響を与えることは知られておらず、ある利点(例えば低減された燃焼温度)をさらに与える場合がある。]
[0051] さらに、精製過程のこの段階で、第1族および第2族の金属イオンの量は典型的に約50ppm以下、好ましくは約25ppm以下、より好ましくは約10ppm以下、さらにより好ましくは約5ppm以下、そして最も好ましくは約4ppm以下に低減される。]
[0052] 燃料組成物は、全体的な体積に対して約50%(体積比)以内のアルコールを含むことができる。燃料組成物は一般に約2から約40%(体積比)、より一般的には約3から約30%(体積比)、最も一般的には約4から20%(体積比)までのアルコールを含むことができる。上記のように高純度反応体が使用される場合、本発明のプロセスによって製造された精製された燃料組成物は典型的には約5から約15%(体積比)、一般的には約5.5から約10%(体積比)、最も一般的には約6から約8%(体積比)のアルコールを含む;好ましくはアルコールはエタノールおよび/または1−ブタノールのような1以上のC2−C4モノオールである。]
[0053] この点では、いくつかのオプションが利用可能である。例えば、精製した混合物はそのまま使用でき、または1つ以上のコンディショナー、安定剤または他の添加剤(例えば灯油)の追加および完全な混合の後に使用できる。しかしながら、任意に上記のタイプの添加剤を含む、さらに精製された燃料組成物はあるさらなる利点を得ることができる。]
[0054] ある状況において有利であることが見出された付加的な精製テクニックはろ過である。具体的には、燃料組成物は、1つ以上のフィルター、任意には順次穴径の小さくされた複数のフィルターで、懸濁された不純物を除去することができる。商業的なろ過デバイスは、様々な供給者、例えばドナルドソン社(ミネアポリス、ミネソタ州)、セントラルイリノイズ マニュファクチャリング社(ベメント、イリノイ州)、ハーバード社(エバンスビル、ウィスコンシン州)、ウィックスフィルトレーションプロダクツ社(ガストニア、ノースカロライナ州)から利用可能である。約130から約140kPaへシステムを加圧するためにポンプを使用することにより、約550から700mL/sのオーダーの処理速度を提供することができる。]
[0055] 未精製の燃料組成物にそのようなろ過を行なうことは、少なくとも一貫した方式で、著しい利点を提供することは知られていなかった。しかしながら、上記の酸化手法により既に処理された燃料組成物について濾過が行われたときに、40℃で約4.2mm2/s以下のオーダーの動粘度、約4.1mm2/s以下の動粘度、約4.0mm2/s以下の動粘度、約3.9mm2/s以下の動粘度、約3.8mm2/s以下の動粘度、さらには約3.7mm2/s以下の動粘度を得ることができる。この技術は、40℃で約3.6mm2/sのオーダー、約3.5mm2/sのオーダー、またはより低い動粘度を有する大豆油のエチルエステル/エタノール燃料組成物を供給することができると考えられている。これらの粘度値は、先行技術でのエチルエステルバイオ燃料のために報告されたものと対照的である;例えば、先に言及されたピーターソンらのデータ、およびGraboskiらのデータ(4.4から5.9mm2/s)を参照。さらに、燃料組成物中の遊離のアルコールの存在は、本発明の燃料組成物で見られる粘度低減のおよそ半分以下を説明できる。この低減の残りの半分は完全には理解されていないが、酸性化工程が1つまたは望まれない副産物を生成し、これが濾過工程のようなさらなる精製工程により除去されて影響されるのではないかと考えられる。]
[0056] したがって、酸性化され濾過された燃料組成物は、それが精製される前の未精製の燃料より約40%のオーダーで小さい動粘度を有することができる。ASTMD975に従って40℃で測定された時に、ペトロディーゼルは4.1mm2/s以下の動粘度を有していることが一般に期待されるので、同様の特性を有するバイオ燃料を提供することは、商業的な受容性および使用時の性能の両方に関して有利でありうる。通常の当業者は、どこにでもあるペトロディーゼルにできるだけ類似した貯蔵および性能特性を有するバイオ燃料組成物の望ましさを理解するであろう。例えば、前述のピーターソンらの報告を始めとする公表された報告は、燃料噴射器のコーキングは燃料粘度に直接関連することを示す。コーキングすることは、さらにバイオ燃料中の不純物によると推測された;例えば、ピーターソンらの報告を再度参照。これらの2つの理論が関連づけられる可能性がある:より少ない不純物に結びつく精製は同様に粘度の低減に帰着することがある。]
[0057] 上記の精製プロセスは、バイオディーゼル燃料の製造において一般に使用されるプロセスに比較して著しい利点を備えると考えられる。例えば、本発明のプロセスは、未精製の燃料組成物から第1族イオンを洗い流すために多くの水の使用を要求しない;これは、使用され、廃棄前に処理されなければならない水の量を減らす。さらに、精製した燃料組成物中の過剰アルコールが望ましいので、本発明のプロセスは時間およびエネルギー集約的な蒸留技術の使用を要求しない。したがって、本質的に天然の出発原料のみを使用することに加えて、本発明のプロセスは、燃料組成物を作り精製するために非常に小さなエネルギー入力しか要求しない。]
[0058] 一旦完全に精製されると、燃料組成物は、著しい処理または警戒の必要なしで貯蔵できる。前記のように、若干酸性にある燃料組成物の精製により、よりよい貯蔵およびハンドリング性能が達成できる。しかしながら、一旦精製が完了した後に、燃料組成物が酸性形で維持されなければならないかどうかは決定されていない。言いかえれば、一旦精製過程が完了すれば、燃料組成物の粘度および貯蔵安定性に悪影響を及ぼさずに、燃料組成物が使用前に本質的に中立のpHを有するように、精製した燃料組成物のpHが上方へ調節されることができるかも知れない。]
[0059] 有利に、本発明のプロセスは、ASTMD2500に従って測定された場合に、少なくとも−2℃、−3℃、−4℃、−5℃、−6℃、−7℃、あるいはさらに低い曇点、およびASTM D97に従って測定された場合に、少なくとも−10℃、−12.5℃、−15℃、−17.5℃、−20℃あるいはさらに低い流動点を有する燃料組成物を与える。例えば、上記のプロセスによりエタノールおよびRBD大豆油から作られ、少量のディーゼルコンディショナーで処理された燃料組成物は、少なくとも−20℃に下がった大気温度に外で夜通し静置した後にさえ有用な状態であると分かった;営利上利用可能なバイオディーゼル燃料は、著しい量のコンディショナーおよび他の添加剤を加えても、この種の低温性能を達成できるとは考えられない。例えば、ピーターソンらの報告は、脂肪酸のエチルエステルは−10℃(熟した菜種油のエチルエステル)から12℃(牛脂のエチルエステル)までの流動点を有していることを報告している。より直接比較するために、その同じ報告は、大豆油のエチルエステルが−3℃の流動点を有していることを示す;従って、本発明のプロセスは、標準のエチルエステルバイオ燃料のものより少なくとも5℃から20℃低い流動点を有する燃料組成物を提供することができると思われる。]
[0060] 完全に精製した燃料組成物はそのままで使用でき、または、最終用途に依存して、適切な量のペトロディーゼルで薄められて使用できる。例えば、いくつかの燃料供給場所においては50:50のバイオ燃料とペトロディーゼルの混合物を作り、次いでこの混合物をマスターバッチとしてさらなる希釈のために使用できる。現在まで、顕著な混和性の問題は、いわゆるマスターバッチブレンドについてさえ報告されていない。]
[0061] 前記のように、本発明の燃料組成物は一般に低級アルキルモノオール(例えばエタノール)および1以上の長鎖脂肪酸のC2−C6エステルを含んでいる。組成物は、一般に、約5から約10%の1つまたは複数のC2−C4アルコール、好ましくはエタノール、および残りの量の1つまたは複数の長鎖脂肪酸エステルを含む;他のすべての成分は典型的にはトレース量以下で存在する。いくつかの実施態様では、組成物の少なくとも99.99重量%または99.999重量%をC、HおよびO原子で構成できる;これらおよび他の実施態様では、組成物は硫黄および窒素原子の少なくとも1つ、好ましくは両方を実質的に含まないことができる。]
[0062] 組成物は一般に水を、典型的には約0.2から約0.5%(体積比)の量で含むが、最大で0.8%(体積比)またはそれ以上の量を含むことも、ある状況においては可能であると考えられる。]
[0063] 既に議論された理由で、燃料組成物は好ましくはわずかに酸性pH(少なくとも精製中には)を有し、40℃で約3.7±0.2mm2/sの動粘度を有する。流動性改良剤のない状態でさえ、本発明の組成物は、少なくとも約−5℃の曇点と、少なくとも−15℃の流動点を有することができる。これらの特性の各々はひとつまたはいくつかの組み合わせで、実施態様において達成される。]
[0064] このタイプのバイオ燃料組成物は希釈しないで使用でき、いくつかの状況下では、希釈されていないペトロディーゼルまたはペトロディーゼルとバイオ燃料のブレンドに対して排出物に関して著しい効果を提供することができる。]
[0065] 例えば、エタノールおよびRBD大豆油のエチルエステルエステル交換反応生成物を含む燃料組成物は、2サイクル、V−16、ルーツブロワーされ(root blown)、ターボチャージャーのないエンジンを使用して、短い鉄道線路機関車(EMDモデル16−645BC)でテストされた。シリンダーはそれぞれ約10.5リットル(645立方インチ)の排気量を有し、全体でほぼ170リットルの排気量であった。試験に先立って、機関車に純粋なバイオ燃料組成物の約280リットル(75ガロン)が供給され、ウォームアップされ、それによってエンジンから全ての残留ペトロディーゼルが排出された。
その後、以下の燃料の各々約190リットル(50ガロン)が連続してテストされた:
純粋なバイオ燃料、バイオ燃料組成物と鉄道用オフロード#2ペトロディーゼルとの50:50混合物、および純粋なペトロディーゼル。排気試験は、電力を熱に変換するように設計されたローディンググリッドに機関車のディーゼル機関で作動される直流発電機を接続することにより作り出された定常状態負荷の下のエンジンで行なわれた。]
[0066] パーセントスモーク不透明度は、機関車の排気管の内側に配置された5cm(2インチ)のサンプリングエルボチューブ上にクランプされたWager(登録商標)7500(ロバート H.ウエイジャー社;ルーラルホール、ノースカロナイナ州)スモーク計を使用して、連続的に測定された。]
[0067] 排出ガスは、testo(登録商標)350XLポータブルガス分析器(テスト社;フランダースニュージャージー州)を使用して測定された。測定器は排気酸素、CO、SO2、全炭化水素、NO、NO2および組み合わされたNOxレベルを測定するように設定された。(全炭化水素データはサンプリングの問題により採取されなかった。)分析器にはモデル450コントロールユニットおよび付属のサンプリングプローブが装備された。ガス分析器プローブは、排気管の中心へプローブをおよそ5cm(2インチ)入れて保持したブラケットによって、一定のサンプリング位置で維持された。]
[0068] データ収集は、各テスト燃料の導入の後に安定した不透明度の読みが得られてから始めた。この最初の記録の後、読みは1−2分の間隔で連続的に図表にされた。]
[0069] 以下の表2の中で以下に要約された試験結果は、これらの値の5つの平均である。]
[0070] 表2からのデータは多くの興味ある特性を示す。例えば、結果は以前(例えば、ピーターソンの報告記事)に報告された結果よりも優れているが、本発明の燃料組成物は硫黄原子の導入を回避した方法で合成され精製されたので、#2ディーゼル油(ペトロディーゼル)に対する100%の減少は説明可能であろう。さらに、本発明の燃料組成物はより低い排気温度に帰着するので、NOx放出の低減も容易に説明可能であろう(なぜならNOx形成は燃焼温度が高くなると増加することが知られているからである)。さらに、本発明の燃料組成物のより高い酸素含有量は同時にO2含有量を増加させて、排気のCO濃度を非常に低減した(つまり75%以上)。]
[0071] 先の結果は、オフロード#2ペトロディーゼル(1つは現在のEPA規制に適合し他はより厳しいカリフォルニアの規定に適合する)とB20ディーゼル、すなわちペトロディーゼルと大豆油のメチルエステル誘導体との80:20混合物との比較についての発表された結果とは対称的である。2004年5月の、S.G.Fritzらの、「EMD GP38−2ディーゼル機関車におけるバイオディーゼル燃料の評価」(Evaluation of Biodiesel Fuel in an EMD GP38−2 Locomotive)国立再生可能エネルギー実験室サブコンダクター報告書)を参照(米国商務省から利用可能)。]
[0072] その研究は、以下の表3に特性が示されたEMD 16−645−Eディーゼルエンジンを装備したロードスイッチャー機関車(road−switcher locomotive)で行なわれた。]
[0073] この燃焼排気実験の結果は以下の表4aおよび4bに示される。ここでEPA−1からEPA−3は機関車排気用の米国環境保護庁規格(40C.F.R.§92.113を参照)に適合するディーゼル燃料について行なわれた3つのテストである;Cal−1からCal3は、カリフォルニア大気資源委員会規格に適合する2つの商業的に利用可能な燃料の50:50混合物について行なわれた3つのテストである;B20−1からB20−3は、G−3000(登録商標)バイオ燃料(グリフィンインダストリー社;コールドスプリング、ケンタッキー州) と、EPA−1からEPA−3で使用された燃料との20:80の混合物について行なわれた3つのテストである;C20−1からC20−3は、G−3000(登録商標)バイオ燃料 と、Cal−1からCal−3で使用された燃料との20:80の混合物について行なわれた3つのテストである;CBSFCはアメリカ鉄道協会−訂正正味燃料消費率である;c.o.v.は3つのテストの変動係数である。]
[0074] これらのデータは、B20ディーゼル混合物は、ライン−ホール負荷サイクル(line−haul duty cycle)とスイッチ負荷サイクル(switch duty cycle)のどちらにおいてもNOxの増大した排出を示し、さらにライン−ホール負荷サイクルにおいては増大した排気の不透明性(粒状物質の放出によって示される)をもたらすことを示す。(粒状物質に関して、2004年の研究は、使用される燃料のタイプは微粒子の量に影響をほとんど及ぼさなかったとの結論を下した。なぜなら2サイクルのディーゼルエンジンにおけるそのような放出は潤滑油生成成分によって支配されるからである。)表2中で要約された試験は、本発明の燃料組成物に関してこれは必ずしも真実でないことを示すように見える。]
[0075] 本発明の燃料組成物の排気特性の各々は高度に、個々においても、組み合せにおいても、両方において望ましい。
これは、機関車の排気がEPAのような環境上の機関の調査によるという事実を考慮すれば特に真実である。2サイクルのディーゼルエンジンが北アメリカの全体にわたる鉄道に使用されるエンジンの大部分を構成すること、およびオフロード#2ペトロディーゼルが比較的汚染物質を含む燃料(つまりその燃焼は大量の微粒子、SO2、NOx種などを発生する)であると一般に考えられているので、これらのエンジンがより厳格な排出基準に適合することを支援できる代替燃料を利用できることは非常に望ましい。]
[0076] 2サイクルのディーゼルエンジンにおいて使用された時に本発明の燃料組成物は排気について著しい効果を備えることが分かっているが、長距離トラック(long−haul trucks)のようなより一般的に使用される4サイクルのディーゼルエンジンにおいてはまだ証明されていない;より正確には、初期の概略的な研究は、改善が2サイクルのディーゼルエンジンで見られたものと同じくらい劇的であることを示すようには見えない。それぞれの燃焼室における圧力と温度の相違、4サイクルエンジンにおける燃焼室のより効率的な冷却を始めとする種々の要因の1以上に起因すると考えられる。]
[0077] しかしながら、前記の概略的な研究は、本発明の燃料組成物の使用における他の利点を示した。例えば、4サイクルのCummins(登録商標)ターボ、インタークールドディーゼルエンジン(2200rpmで駆動するように設定された、これは24.6m/s(つまり55mph)での定速走行での運送貨物トラックにほぼ近いと考えられた)を使用し、商業的に利用可能な#2ペトロディーゼル(A)、および3つの代替燃料−商業的に利用可能なB20バイオ燃料(B)、すなわち、ペトロディーゼルと大豆油のメチルエステル誘導体の80:20混合物、ろ過された廃植物油(C)、および本発明による燃料組成物(D)について試験を行った。以下の表5に記載するエンジン効率データが得られた:




各燃料についてのエンジン効率は、式ηe=1/(BFSC×LHV)を使用して計算された。ηeは与えられた時間インターバルにおいてのエンジン効率であり、BFSCはその時間インターバルにおける正味燃料消費率である。また、LHVは燃料の低位発熱量である。エンジンが各燃料タイプで15分間、エンジンを運転する前に71℃(160度F)にできるだけ接近して暖められた後、冷却液温度上昇が決定された。]
[0078] 表3のデータに基づいて、本発明の燃料組成物は、廃植物油より遙かに優れ、商用B20ディーゼルブレンドよりも優れた計算されたエンジン効率に帰着するように見える。
さらに、本発明による燃料組成物の使用は、2つの商用燃料を含むテストされた他のすべての燃料と比較してより少ない冷却液温度上昇に帰着した。燃料効率に関して、本発明の燃料組成物は、廃植物油から作られた燃料より10%良好な値を示した。さらに、混合生成物中のバイオ燃料のパーセンテージの増加にともなう効率減少を線形に補外すると、同じ燃料組成物は、受理可能であると現在考えられるバイオ燃料、すなわち大豆油メチルエステル誘導体よりも約5%良好な結果をもたらすように見える。これは、当量のエチルエステルに対するメチルエステルの良好な力と消費の結果の報告書に反する;例えば、ピーターソンらの報告およびそれに引用された文献を参照(それらのすべては「純粋な」バイオ燃料、つまり著しい量の遊離のアルコールを含んでいないバイオ燃料を比較する)。]
[0079] 少なくとも先の効率の結果は、本発明の燃料組成物が大量ではないとはいえ、エタノールのようなアルコールを含んでいるという事実を考慮すると驚くべきものである。石油に基づいた燃料中のそのようなアルコールの存在は、低減された燃料効率値を与えると典型的には予想されるだろう。しかしながら、先の結果は、本発明の燃料組成物は「純粋な」バイオディーゼル生成物より良好な燃料効率を提供することを示すように見える。]
[0080] 本発明の燃料組成物の使用は、任意の特殊装置の使用または既存のエンジン機器の改造を要求するようには見えない。特に、ある文献およびメーカー保証情報は、純粋なバイオ燃料がエンジンで使用される場合には特別のシールおよびガスケットが必要であることを示すように見える。しかしながら、試験のどれも、これが本発明の燃料組成物で必要なことは現在まで示していない。]
[0081] 反対に、本発明の燃料組成物の使用はそれが使用される機器に少なくとも1つの肯定的な効果があると示された。特に、燃料組成物の燃焼は、金属エンジン部品に洗浄効果を提供するように見える。コーキングへの効果はみられず、または多少の悪化すら見られるという他の研究(例えば、ピーターソンらの報告を参照)に反して、2サイクルの鉄道ディーゼルエンジンにおける本発明の燃料組成物の使用は、それらが本発明在の燃料組成物の使用に先立ってあったよりはるかに清潔な金属部分(例えば燃料噴射器とシリンダー)を与えた。]
[0082] 現時点では、この効果は完全には理解されない。特に、燃料組成物が従前に存在した堆積物を除去するのを支援する洗浄力効力を実際に提供するか、または燃料組成物が、単にエンジンの正常運転が従前の堆積物(例えば振動による)を除去することを可能にするレベルまで新しい堆積物の量を減らすのかどうかはわかっていない。しかしながら、ある程度の確実性を持って言うことができることは、より少ない堆積物で覆われたエンジン部品はより冷却しやすく、かつより効率的に運転できると予想されるということである。]
[0083] この記載の中で使用される用語と句は、本発明の組成物およびプロセスについての理解を助けると考えられる。しかしながら、提供される例示的な実施態様の簡潔な記載に基づいて何らかの制限が加えられるものではない。]
权利要求:

請求項1
a)少なくとも約2.5%(体積比)の少なくとも1つのC2−C6アルコール、およびb)少なくとも1つの1つ以上の長鎖脂肪酸のC2−C6エステル:を含む燃料組成物であって、(1)該燃料組成物が約6.8未満のpHを示すこと、および(2)該燃料組成物が約4.0センチストークス未満の動粘度を有することの、少なくとも1つを満足する、燃料組成物。
請求項2
前記の組成物が約6.8未満のpHを示し、約4.2センチストークス未満の動粘度を有する、請求項1記載の燃料組成物。
請求項3
前記の組成物が約5.5から約6.7のpHを有する、請求項1記載の燃料組成物。
請求項4
前記の組成物が約4.2センチストークス未満の動粘度を有する、請求項3記載の燃料組成物。
請求項5
前記の組成物が少なくとも約0.2%(体積比)の水を含む、請求項1記載の燃料組成物。
請求項6
ASTMD2500に従って測定された時、前記の組成物が少なくとも−5℃の低い曇り点を有している、請求項1記載の燃料組成物。
請求項7
a)約5から約10%(体積比)の少なくとも1つのC2−C6アルコール、およびb)少なくとも1つの1つ以上の長鎖脂肪酸のC2−C6エステルを含む燃料組成物であって、約3.5から約4.0センチストークスの動粘度を有する燃料組成物。
請求項8
前記の組成物が約6.0〜約6.7のpHを有する、請求項7記載の燃料組成物。
請求項9
前記の組成物が硫黄原子と窒素原子の少なくとも1つを本質的に含まない、請求項7記載の燃料組成物。
請求項10
前記の組成物が少なくとも約0.2%(体積比)の水を含む、請求項7記載の燃料組成物。
請求項11
ASTMD2500に従って測定された時、前記の組成物が少なくとも−5℃の低い曇り点を有している、請求項7記載の燃料組成物。
請求項12
a)少なくとも1つの1つ以上の長鎖脂肪酸のC2−C6エステルを含む液体を提供すること、b)該液体のpHを7.0未満に調整し、未精製の燃料組成物を提供すること、およびc)任意に、約1μmより大きな平均直径を有している微粒子を除去するように前記の未精製の燃料組成物を処理して、精製した燃料組成物を提供すること、を含む、燃料組成物の提供方法。
請求項13
C2−C6モノオールを使用して、トリグリセリド含有組成物のエステル交換反応により、少なくとも1つのC2−C6エステルが提供される、請求項12記載の燃料組成物の提供方法。
請求項14
該C2−C6モノオールがエタノールを含み、該エタノールが任意に化学量論量より過剰に存在する、請求項13記載の燃料組成物の提供方法。
請求項15
前記の燃料組成物が少なくとも約0.2%(体積比)の水を含む、請求項12記載の燃料組成物の提供方法。
請求項16
前記の燃料組成物が第1族金属イオンを約5ppm未満で含む、請求項12記載の燃料組成物の提供方法。
請求項17
乗り物に動力を供給する方法であって:a)乗り物のエンジンに、少なくとも約2.5%のエタノールおよび少なくとも1つの1つ以上の長鎖脂肪酸のC2−C6エステルを含む燃料であって、約4.0センチストークス未満の動粘度を有する燃料を供給する工程、およびb)前記エンジンに該燃料を燃焼させ、それにより乗り物に動力を供給する方法。
請求項18
ペトロディーゼルを燃焼する場合の排気と比較して、前記のエンジンの排気が前記のより少ないNOx種を含む、請求項17記載の方法。
請求項19
ペトロディーゼルを燃焼する場合の排気と比較して、前記のエンジンの排気が前記のより少ない濃度のCOを含む、請求項18記載の方法。
請求項20
前記のエンジンが2サイクルのディーゼルエンジンである、請求項17記載の方法。
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